福島県出身の写真家・野口勝宏さん。「福島の花」が代表作品の一つであると思うが、精細に描かれた絵画のようにも錯覚するような、独特のタッチの写真が印象的である。出勤中にいつも通りラジオを聴いていると、何やらインタビューを受けており、自身にとって写真を撮るということは「瞬きするのと同じ」というようなコメントをされていた (ちょっとニュアンスは違うような気もするが)。
自分の撮影スタイルと照らし合わせて、また、先日の上野~浅草間の撮影を思い出しながら、もやもや考えていた。普段はズームと単焦点を合わせて4~5本は交換レンズを装備しているが、その日は単焦点レンズ1本だけに機材を絞っての撮影。単焦点は、お気に入りの画角の35mm (35mm換算で)。時々刻々と変化する光線の加減に合わせ、絞りやシャッタースピードの設定を変えていつでもシャッターを切れるようにスタンバイしながら、ひたすら歩く。そして、歩みは緩めずに、見たままの景色を、思った瞬間にスナップする。まさに瞬きする感覚である。テンポの良い撮影が心地良い。
このような撮影スタイルが好きであるが、集中力を要するし、精神的なコンディションにも左右されるので、いつでもできるわけではない。ただ、じっくり構図を考えて露出を考えて、というよりも、瞬間的に切り取ってしまった方が、邪念が入らず良く撮れると思っている。
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- 2017/04/06(木) 00:14|
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