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写真展めぐり

先週末、2日間で7つの写真展を観てきた。これを書いている時点ですでに会期が終了しているものがほとんどであるが、自分がどのように感じたか、記録として残しておく。

●村田卓也 写真展「うまそうなまちかど」 / コニカミノルタプラザ ギャラリーA
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車を走らせていると、野菜が陳列されていて1袋100円などと書かれている小屋を見かけることがある。誰かがいるわけでもなく、貯金箱が置いてあるだけで、「お店」と呼べるか分からないような小屋。まちかどにひっそりと佇んでいる、そんな「お店」たちの写真。改めてみると、このような「お店」は個性豊かであることに気付かされる。廃冷蔵庫を流用したもの、リヤカーを改造したもの、木材を組んで自作したもの、綺麗にペイントまで施されたもの、さまざまである。この写真展の作品は、記録写真としても価値があるものだと思う。これらの作品を「街角写真」に分類していいのかは分からないが、街角写真で難しいのは、どこまでフレームに入れるべきかというのがある。「過不足なく」が理想であるが、何をもって過不足がないと言えるのか。もうちょっと視野を狭めたほうが良いのでは、と思った作品がいくつかあったが、「街並みに溶け込んでひっそりと佇んでいる様子」を表現するのであればちょうどよいとも思えたりして、難しいところである。数点であるが、周辺部の収差やデジタルノイズが目に付く作品があったのが残念。

●森田城士 写真展「縁の色」 / コニカミノルタプラザ ギャラリーC
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ギャラリーAの「うまそうなまちかど」目当てでコニカミノルタプラザに来たが、B、Cの展示はHPの情報では、あまり魅力的には感じていなかった。ついでということで観たのだが、かなり惹き込まれた。淡い青系の色調の写真が並べられており、どこかで見たことのある写真といえばそうであるが、1枚1枚の焼き方が丁寧なのである。見た感じではインクジェットではなく手焼きであり (間違っていたら失礼)、印画紙のハイライト側の表現豊かさ、またそれを活かしきったプリントは素晴らしい。焼き込みも丁寧で、子供3人が浜辺で遊んでいる写真が気に入った。

●三吉和寿 写真展 Hidden Charms / 新宿ニコンサロン
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残念ながら、展示の意図が汲み取れなかった。作品1点1点についても、その組み合わせ方についても。DMの写真を見た限りでは自分の守備範囲なような気がしたが、感性が違うのかもしれない。

●新山発現 写真展 CLEAN / サードディストリクトギャラリー
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今回の写真展巡り、行く前にネットでいろいろ情報収集して、その中でこの写真展も見つけた。HPに展示作品の一部が掲載されていたが、どれもコントラストが高めに感じられた。とはいっても、モニターの具合もあるし、HP用にコントラスト高めに仕上げている可能性もあり、実際は違うかもしれないと期待して観に行った。しかし、モニターで見たのと同様のコントラストの高さで、ハイライト側とシャドウ側、いずれも印画紙の能力が全く活かしきれていないプリントで残念。もし、ファインプリントしようと思えばできるが表現意図のためにしていない、というのであれば、それはそれで良い。私の理解が及ばなかっただけである。また、マットに入れて額装されていたが、仕上げの詰めの甘さが感じられた。街角の風景の切り取り方としては割と好みなので、もっとクオリティの高いプリントで、しっかりと仕上げて欲しかった。解説などはなかったので、作者が意図しているのかどうかはわからないが、風景の中に、様々な方向に直線が伸びているのが印象的だった。ごちゃごちゃした街ではあるが、そのように切り取ると面白いと思った。一点だけ、写りこんでいる人物の首に、かなり目立つ線がかかっている作品があったのが気になった。

●佐藤時啓 光―呼吸 そこにいる、そこにいない / 東京都写真美術館 2階展示室
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原版が8×10であり、細部まで緻密なプリントに圧倒される。テトラポッドのコンクリートの質感が美しすぎる。深夜のお台場に大きいカメラを据えて、シャッターを長時間解放させて、ペンライトを持ってカメラの前を動き回る。そんな撮影光景を想像すると、狂気の沙汰としか思えない。中途半端なやり方では「奇を衒った作品」と評されるだけであるが、芸術作品の域に到達していると感じた。とはいっても、その違いはどこにあるのか、そもそも「芸術」とは何か、とか良く分からないが。「Wandering Camera 2」では、写真というツールに、無限の可能性を感じた。

●北野謙「いま、ここ、彼方」 / MEM
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DMが入手できなかったので、ギャラリーに置いてあった解説 (の一部分) を載せておく。「太陽のシリーズ」と「月のシリーズ」の2つから成るが、いずれも長時間露光された写真である。「太陽のシリーズ」は、普通にカメラを三脚に固定した長時間露光であり、太陽の軌跡が写っている。軌跡として写すことだけを考えれば、28mm (35mm判換算) のレンズで対角線一杯に写すとしても、5~6時間程度のレリーズで済む。しかし、この作品は、日の出から日の入までの丸一日、露光させたようである。太陽が軌跡として写る時間帯だけ露光させたとすると、前景は逆光で影にしかならないはずであるが、丸一日露光させることで、前景も全方位から光を当てたような写り方になっている。写真を観賞するだけの層からすれば、どうでもいいことかもしれないが。「月のシリーズ」は、月の動きにカメラを追尾させてスローシャッターを切ったもので、風景は流れているが、月はしっかりと写った作品となっている。いずれのシリーズも、アイディアは良いと思ったが、メッセージとして伝わってくるものは少なかった。

●市橋織江写真展:Interlude / キヤノンギャラリーS
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ビル群の前に広場が写っている2枚の作品が気に入った。別個の作品として離れた場所に展示されていたが、同じ場所、もしくは近い場所で撮影されたものと思われる。いずれも彩度は低めで、緻密に描かれた鉛筆画かと見紛うような表現が印象的だった。それ以外の作品も含めて、カラーのプリント、奥が深いなと感じた。モノクロについては先輩方に多くのことを教えていただき、プロセスがインクジェットになっても、その知識は活かせていると思う。最近はカラーで撮ることが多いが、そのプリントの良し悪しについては、全然理解できていないということに気が付かされた。このあたりが、当面の課題になるのかなと思った。
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  1. 2014/07/20(日) 02:44|
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